シルバーペーパー

秘密結社「シルバーペーパー」

怖い話を読んで涼しくなった試しがない

どないせいっちゅうねん

 夏になると風物詩として怖い話やホラー映画なんかが特集される。ただ、それで「涼しくなる」というよりは恐怖で嫌な汗がじわりと滲み出るといった体験のほうが自分は多いのだが、みなさんはどうだろう。  

 日本においては、古来から妖怪や物怪の類の話は数多く存在する。かっぱ(私の叔父も見たそうだ)や座敷わらしなんてものはどこにでもある話だ。しかしそれらは、海外のドラキュラやゾンビのような"モンスター"らしいモンスターとは少し毛色が違う印象を受ける。  

 そもそも、いわゆる西洋型のホラーは、キリスト教的に生み出された"悪魔"から派生したり、古来から言い伝えられてる神話が出典の化け物が多く、あまり現実味がない。天国と地獄、天使と悪魔、そしてやはり唯一神が常にその主題に見え隠れする。少し前に見たホラー映画、スティーブン・キングの「1408号室」なんかは様々な仕掛けにびっくりさせられるポルターガイスト映画だが、結局は最後の審判の比喩であり宗教色が強かった。つまり神様にお祈りしとけばええねん。助からなかったらしゃーない。

 では日本ではどうだろう。助けて欲しければ誰に祈る?雷が轟々言う時には「くわばらくわばら」というが、あれは憤死した菅原道真が各地に雷を降らせたときに、自分の故郷であった「桑原」には何もしなかったことから来てるが、そういったものがほかにあるか?南無阿弥陀仏?南妙法蓮華経?般若波羅蜜多?

   そもそも、霊的な存在に会ったら、寺に駆け込むか神社に駆け込むかイマイチわからん。

 日本では八百万の神だから、大体なんでも神様になる。しかし、多くの神社仏閣にはいわゆる"荒神"が祀られているため、逆に呪われたりすることもある。そういうものだ。

 しかし、だからこそ、昔の人は霊的な物に強い"畏怖"を抱いたのではないか。だって何かされたら頼るものも無いしたまったものではない。そういう印象を受ける。

   また、日本のホラーというのは、何か得体の知れなさを許容する。だからこそ、自分にもあり得るのではないかと思わせるところがあると思う。

洒落にならない怖い話

 さて、現代では一昔前に比べインターネットが発達し超常現象が撲滅されたかに思えたが、オカルト板では根強く怖い話が量産され続けている。それがいわゆる"洒落怖"だ。

 その中には、明らかに創作だと思わされるものもあるが、秀逸な作品も多い。そもそもを創作だと思って全て読めばこれほど時間を潰せるものはないと思う。その中でも有名なものを私の趣味嗜好で列挙していこう。

1.コトリバコ  ジメジメとした和ホラー感がよい

2.きさらぎ駅 http://syarecowa.moo.jp/257/1.html

 異世界感がよい

3.やってくる http://syarecowa.moo.jp/198/22.html

 自分がそうなったらと、想像したらヤバイ

4.全く意味がわかりません http://syarecowa.moo.jp/3/860.htm

 続編の「通学バスの老夫婦」を読むと面白い。こういう後につながっていく系はサスペンスみたいで好き

5.八尺様  http://syarecowa.moo.jp/196-2/71.html

 洒落怖のド定番だけど普通に意味わからない怖さがある でも最近は萌えキャラ化しててちょっとアレ

 まだまだ無限に洒落怖はあるが、タダで読めるし時間を潰すのには持ってこい(高校時代最初のほうからさかのぼって読んでたら夏休み終わった)だから、暇で仕方がない人は読んだらいいと思う。最高に無駄な休みを過ごそう。

死ぬ程洒落にならない話を集めてみない?/洒落にならないくらい恐い話を集めてみない?---過去ログ倉庫 投票所

ズット=イエニ=イールこと、竜崎大