シルバーペーパー

秘密結社「シルバーペーパー」

命短し慾せよ乙女

 気が付くと2015年という最果ての未来にいながら脳内時計は未だに2006年くらいを彷徨っている竜崎大です。2015年といえばエビャンゲリオンやらバック・トゥ・ザ・フューチャー PART2やらの設定と同じ年らしいのですが、過去の人びとの期待に反して人類のハッテンはここ10年くらいほとんど停滞してるんじゃないかと思わざるを得ません。車もしばらく空を走る予定もなさそうさとな。

ともかく、私と致しましてはこの回帰的時間軸の中では、エロ漫画の新刊が出ることでしか時間経過を把握することが困難な次第であります。そもそもドゥールーズの述べるように私達は時間が漠然と存在しているのだとむやみに信じこんでいながら、その実は空間的に認識することでしか時間を理解していないのであります。そして時間というものを本質的に捉えようとするためには、音符一つでは曲としてなり得ないように連続性と凝集性を持って時間を把握するべきであるのかも知れません。畢竟、私が現在を現在として認識し得ているのはポツポツと発刊されてくる瑞々しいエロ漫画の芳しく豊潤な音色のをもってでしかありえないわけで、2015年2月27日に発売された三巷文(みなとふみ)先生の『こんなこと』のお陰で止まっていた時計の針がまたひとつ動き出したというわけであります。
というわけで、イェーーーーーーーーーーーーーーーーー三巷文先生の単行本がついに来たぜ!!!!やったね!!!


 さて、みんな大好きワニマガのコミック情報から!

COMIC快楽天』表紙作家・三巷文の初単行本!

チチと娘と性隷の御名において迷える信徒たちを救う福淫短編集です。 電化の宝刀を駆使して6年越しの雪辱を果たす「Revenger×Massager」や愛しのお兄ちゃんとの営みを液裸々告白しちゃう「あにかん!?」ほか、痴情の悦びを全裸で享受する強烈至極264ページ。 愛するが故にコクなことを強いる1冊です。


 平常運行の電波っぷりですね、はい。次に収録作品
 

  • 家出イトコ

  • Revenger×Massanger(特設サイトに誤植あったのみっけた)

  • あにかん!?

  • Don't touch me!

  • unplugged

  • メヂカラ

  • ちいさなくま

  • おおきなくま

  • Sweet10...

  • ふたりの部屋

  • かりものの

  • プライベートスタンダード

  • ONE PLAY

  • ハナアザミ

  • スペアキー

  • 月蛍抄

  • ライラックの頃
    以上、描きおろしを咥えて全17作品です。うーん、すごいボリューム!!!そりゃ264Pにもなりますわな。帯には「初単行本!!(ヴァージンコミックス)」の文字があってちょっと笑いました。
     さて、三巷文先生といえば今やエロ漫画よりも「キャプテン・アース」のほうが有名かもしれませんが、やっぱり私はエロ漫画家だなと勝手に思ってます。最近だと武田弘光先生やToshが少年誌に行ってしまったりして何かと悲しいですが、某掲示板では三巷文先生もそっち方面の仕事だけになってしまうんじゃないかなんて言われてたりして私は悲しんでおりました。(でもToshはともかく武田弘光先生に関してはまだ同人誌とかもお盛んだし三巷文先生は快楽天の表紙描いてるし杞憂かもしれない。)そこに単行本がどーんと発売したわけでもう嬉しくてたまらんわけです。これが最初で最後の単行本になるとかは考えないことにします。それでは三巷文先生がいかに素晴らしいかを語っていくことにしましょう。

    おんなのこが可愛すぎる。ついでに男の子も可愛い
     やっぱエロ漫画で何が大切かって絵ですよ絵!!!しかし私は絵について語る術を持っていないからかなり大雑把な印象論を述べると、なんかこう丸いというか…いい感じにリアルを漫画に落とし込みながらも個性的な絵って感じなんですよね。方向性としては鳴子ハナハルを思い浮かべるような感じ。ひと目で三巷文先生だとわかる。これって個性と言わずしてなんといえばいいのだろうか。ま、とにかく可愛いです。げへへ。
     女の子の特徴として個人的に思うのは、髪の毛に重みを感じるっていうか、なんだか髪の毛に目がいきます。私はしゅっとした黒のストレートか、ふわふわくせっ毛の子が好きですね。つまり伊咲ちゃんとメグちゃんと綾瀬さん!!!あと、おっぱいはとても多彩だと思います。こりゃHカップだなと思う巨乳からAAAカップだろこれと思うちっぱいを超えたもはやぺちゃぱい、ちょうどいいCカップ、あれ着痩せするタイプ?脱いだら飛び出るEカップなどをうまくかき分けてる感じがしますね。(全て筆者の推定ですのであしからず。)
     女の子について触れるべき点として次に思い浮かぶのは表情ですね。三巷文先生は女の子の泣き顔を印象的に使っていると思います。ぐっと目と口を結んでこらえる姿や泣きながらだらしがなく口を広げる姿にはそそらずにはいられませんよ。あと怯えたり痛かったりそういうときに見せるカッと開いた眼、嗜虐欲を刺激してくれますね。にこにこ可愛い笑顔の日常パートから一転して見せるそういった表情の数々、いいですな。
     最後に付け加えると、やっぱりそもそも絵がうまいから女の子のカラダがどちゃくそエロいですね。後ろから突き上げられて背中を反ったときのくびれや脇にかけてのライン、一枚絵としてガン見してしまいます。まん○もちん○も素晴らしい形つきをしていてエロい。陰部を拡大したカットって絵のうまさが現れるものだなとしみじみとしてしまいます。あと、これもまたとても個人的な感想を言わせてもらうとまん毛がいいですね。エロ漫画において忘れられがちな気がするまん毛もナチュラルに描いていて、手で一房掴みたくなります。まん毛って絵にするとわかりにくいけど、湿り気を帯びて束になりやすいと思うんです(というかビシャビシャになる)。その湿り気を感じる素晴らしい恥丘の茂みと言った感じでしょうか。男の子に関してはあまり言及する必要もないと思いますが私は三巷文先生のBL本とか読みたいと思っています。このままいくと全てのコマに逐一コメントをつけたくなるのでひとまず打ち切ります。
    キミはココロから勃起していますか?
     吾々はどうしてエロ漫画を読んで勃起するのでしょう。何が鼓動を逸らせ陰部に血液を追い立てるのでしょう。どういうときに射精するに足る興奮を覚えるのでしょう。そんなことを考えながら自慰する人はあまり多くないと思います。かく言う私は「自分の許容可能な性癖」を調べるために様々なジャンルのアダルトビデオを見て勃起できるか、出来るとしたらどのくらいか、射精できるか、射精後の幸福感は、といろいろ調べたことがあったのですがそのデータはいつの間にかどこかへいってしまいました。端的にまとめると犬から男までオッケーだったわけですが、みなさんはどうでしょう。
     くだらない話は置いておいて、エロ漫画作中に出てくる男たちは、女たちは何を思ってセックスしてるのでしょう。武田弘光先生の「マナタマプラス」に出てくる金居という男は明確にこう言いました。「…みっともねぇ女みると興奮すんだよねぇオレって❤」なるほど、一理ある。しかし、多くのエロ漫画では作中の人物の心情というのはあまり重視されない傾向にあり、何を考えてるかわからないことがままあります。例えば乱交物のエロ漫画においてはいたいけな少女が複数の汚らしいデブハゲのおっさんに囲まれて快楽に堕ちていく、というシチュエーションをよくみます。そのとき少女の側では「嫌なのに……こんなにいっぱいのおちんちんに囲まれたらおかしくなっちゃう……❤」的な心理描写がなされるのを見ることでしょう。ただ、そのときその場に居合わせた汚らしいデブハゲのおっさんは他の汚らしいデブハゲのおっさんの汚らしい姿や肉体やハゲやちんぽを見て萎えること必至ではないでしょうか。あのおっさんたちは何を考えているのか一体どうやって射精しようというのでしょうか、は、またしてもおいといて、その少女の側もテンプレすぎることが多いのに違和感を覚えないでもないのです。気分を盛り上げようにも「あ~また快楽堕ちねハイハイ」となってしまうこともあるのではないでしょうか。それでもシコれるのは大概絵がめちゃくちゃシコれるときで科白はもはや様式美でありそれはつまり心情描写とは言えないのではないでしょうか。
     ここまで長たらしく書いてきて何が言いたかったかというと、心情描写を真面目に読む気が起きないという点について考えたいのです。対して、三巷文先生の作品(ここから本題)に出てくる少女の多くは、じれったい恋慕の情を心の裡に秘めておりそれを唐突なセックスで爆発させるというパターンが多いように思われます。セックスに至る過程はエロ漫画的な放埒な文脈で展開されるため何かとツッコミたくはなりますが、とにかくその少女たちの思いには何かと説得力があるのではないでしょうか。そしてそういう女の子の気持ちに触れてこそ、よき勃起が出来るというものだと思うのです。吾々は心で勃起する動物であるべきなのです。つまり、なんかうじうじ考えてる女の子可愛いなというそれに尽きるわけです。ちなみに個人的には快楽堕ちが大好きなのでそれはそれでハイハイシコシコって感じですね。
    素敵なヴァージンコミックス

     長くなりましたが、三巷文先生の魅力を伝えるというよりは私の性癖暴露みたいな記事になってしまって大変申し訳なく思います。(というか全然書こうと思った内容を書けなかったけどもう疲れてしまった。)それに第一、私がエロ漫画を語ってしまおうというのがそもそもおこがましいわけで、「――エロ漫画は、言葉を超えるのかもしれない」とどこかで誰かがうそぶく声が聞こえるので、是非、三巷文先生の初単行本を手にして読んでみて頂きたいと思います。エロ漫画としての使用性だけでなく、漫画として、画集として、手元に一冊置いておくのをオススメします。それでは、また素晴らしいエロ漫画と出会える日まで、さようなら。

    最近お腹が空いてしかたがない竜崎大 f:id:tetugakudou234:20150228023027j:plain