シルバーペーパー

秘密結社「シルバーペーパー」

結局、畑亜貴の歌詞の魅力ってなんだろう

畑亜貴の歌詞って語感がすごくいい。

パーツパーツはバラバラなのに、ひとつひとつになんだかメッセージ性があるような気がする。

歌詞を字面で見ると間抜けなのに、音だけで聞くと異常に感動的な歌になったりする。

とにかく耳に心地のいい音だけで構成されているから、自分に都合のいい解釈で好きに漢字を頭の中で選んでみると非常に楽しくって癖になる。

だいたい彼女の曲には真面目に全部を聞きとるんじゃなくて、その時の気分で歌詞の一部分だけ聞きとって、他の部分はなんかの暗喩かなと思って聴いたりするとすっごく楽しめる。 

まあでも、前段のように歌詞自体のナンセンスな部分を自分の中でサンプリングしていかに組み立てなおして楽しめるのか、というところも大きいのだけれど、畑亜貴の歌詞を単なる電波ソングとして聴くかひとつの楽曲として楽しめるかには、「畑亜貴の描く少女像に共感できるかどうか」が一番大きいと思っている。

 

 

というわけで、畑亜貴作詞の有名どころからいくつか具体例を引いてみよう。

手と手をつないだら
向かうトコ無敵でしょ
輝いた瞳には 不可能がないの
上だけ見ていると 涙もかわいちゃう
「変わりたい!」
ココロから強く思うほど つ・た・わ・る

 

涼宮ハルヒの憂鬱ハレ晴レユカイ」)

優しくなぐさめても
成長なんかしません
転んだままじゃなくて立ち上がるのよ

 

咲-Saki-熱烈歓迎わんだーらんど」)

悔しさを 受けとめて
描いた世界への旅は

やっと青春の始まり この快感をあげたい
どこまでも伸びてゆく誇らしさ
やっと青春の始まり この快感が好きだよ

 

ラブライブ!きっと青春が聞こえる」)

 

どの曲にも共通して描かれているのは、目の前の世界に対する素朴な少女の視線そのものだ。目の前にある逆境に立ち向かう少女の姿だったり、変わろうとする少女の想いだったり。

どうにも彼女のなかには、「変わりたい」「悔しさを受け止めて」とか「転んだままじゃなくて立ち上がるのよ」とか、そういうフレーズの端々からにじみ出る、力強い、でもどこか繊細な少女像、のようなものが根底にある気がする。

そういったフレーズの端々に、聞き手である私達が強いシンパシーを感じることができると、ものすごく心に突き刺さる。立ち向かう少女の強さや、青春を謳歌しようと奮起するその姿勢が、かつて少年だった私達の心とどこか合い通じる気がして、ふとした拍子に遠く忘れかけていたノスタルジーが湧き上がり、そうして胸を強く締め付ける――。

案外、畑亜貴楽曲の良さってそういうところなのかもしれないなあ。

 

はあー……変わりてえ…………。*1

 

 

はのん

*1:なんで今日この記事を書いたかというと、たまたま今日聞いた曲がなぜかわからないけど涙腺に来て急に辛くなったからです。