マイナーオタクソングを聞こう: 第03回「あんたなんか!!」他
高田暁――キャッチーなメロディー、ポップでありながら、既存の作家の模倣になることはなく、アイドルソングから電波ソングまで華麗にこなす。掴みどころのない複雑なメロディーラインから、優れたリズム感覚と巧みな手腕でひとつの世界を織り上げていく。今回はそんな彼の魅力を伝えるべく、高田暁楽曲から3曲をチョイス。
ラブライブでは「きっと青春が聞こえる」作編曲をはじめいくつかμ's楽曲を担当し、またStylipSではこの人がほぼ全曲を担当、メインコンポーザーという印象が強いですね。この間もプリズマ☆イリヤでED曲「Prism Sympathy」を担当してました。しかし今回はμ's曲やStylipS楽曲には触れない、という縛りを入れてチョイス。
今回選んだ3曲はこちら。
- あんたなんか!!
- るーるぶっくを忘れちゃえ
- Aggressive Zone
というわけで、さっそく紹介にはいりましょう。
あんたなんか!!
杉崎みく(斎藤千和)、丸井みつば(高垣彩陽) 作曲:田代智一、編曲:高田暁
皆さんご存知みつどもえのキャラクターソング。イントロの格好良すぎるベース、更にそこからいきなり脱力する展開になる落差がすごい。
いわゆる電波ソングのなかでもとりわけ尖った作品だと思います。酷い罵声の掛け合いに合わせてビチッとスネアがきまってるのが痺れる。
こういうタイプの曲で作曲者と編曲者が分かれてるの、どういうふうな区分なのか気になりますね。喋りを音楽に乗せる、という作業は一般的なメロディーを作る、というだけでは収まらない仕事になってくると思うので、どこからどこまでが作曲者の領分なのか、というのは悩むところ。あとこのぶっ壊れた歌詞はどのタイミングでつけたんだろう。
ラストの〆方も秀逸。
るーるぶっくを忘れちゃえ
ULTRA-PRISM with 白玉中学校女子ソフトテニス部(伊藤かな恵・喜多村英梨・伊藤静・明坂聡美・矢作紗友里) 作曲:高田暁、編曲:高田暁・小池雅也
言わずと知れた名曲。メジャーすぎて収録するか悩みつつ選曲。アニメ本編の雰囲気に合わせて、ということなのでしょうか。めまぐるしく回る展開はどこかヒャダインを彷彿とさせるものがあります。
小池雅也はULTRA-PRISMのギタリスト。桃井はるこ楽曲を主体に活動、最近だとイカ娘のOP「侵略ノススメ☆」が印象深いです。まさに高田曲にあのカオス感が組み合わさって生まれた、とんでもないてんこ盛り楽曲です。しかも聞いていて単純に楽しいという凄さ。本編ともどもアグレッシブさが全面に出てますね。あと月宮うさぎのVoもかわいらしくて良い。
Aggressive Zone
ニードレス☆ガールズ (喜多村英梨、遠藤綾、後藤沙緒里、牧野由依、加藤英美里)作曲:高田暁、編曲:高田暁
最後に持ってきたのはAggressive Zone。StylipSあたりで作ってた一連の明るい作品群の、とりわけ一番いいところをつめあわせたような一曲です。高田暁楽曲は一通り聞いてきたつもりですがまさに真髄、真骨頂という感じ。
のっけからグイグイと引っ張り込んでいく楽曲。やたら細かいアルペジエーターや凝ったスクラッチ音使いが印象に残る。ギター、ドラムを軸として、音数は少ないながらもここぞと言う所でオケヒを打ち込んでがっつり引っ張ってく構成。
特筆すべきは掛け合いパート、表拍に裏拍でのっかっていく切り替えの感覚がとても高田暁らしい。やっぱりこの人はこの掛け合いのリズムの転換にこだわりがあるんだろうな、というのを強く感じさせてくれる一曲。
ちなみに余談。アニメーター寄りの話。
EDの映像全編にわたってキスしかなくて笑う。まあ坂井久太はあのコテコテな感じから一目で分かるとして、ここにも沼田誠也。金田系で有名なのはそれはそれとして、ゾイドジェネシスやってた頃から思ってたけどかなり可愛い絵を描く。誰の影響なんだろう。興味のある人はそっちのほうも見るといいと思います。ありのままにlovin'Uのほうは「キミだけに 夢を打ち明けたい」のとことか、枚数少ないくせにダンスダンスしてていい。タイミングの感覚がセンス感じる。あえて枚数削ってる感じがお洒落だし、曲のいい感じの古臭さも好きですね。
まあ話を戻して、ニードレスのこれに関しても別に動く感じのEDでもないから動きの面では特筆することないけど、テロップみる限りコンテとか区分が有るわけでもなさそうだしこの二人本当に趣味丸出しで作ってる感じがして笑う。二人でやってたのってミルキィとかひぐらしとか幾つかあったけど原画二人しかいないのってあんまりぱっと浮かばない。版権がっつり見れてる感じがして個人的には好きなED。いやー、にしてもキス好きすぎでしょう。久太さん桜Trickのほうもこれくらいやればよかったのに。
はのん