働かずに金に
突然、風呂場でシャワーを浴びているおれがぼそっと「生活全部を金にしてえ……」って口にした。それを俺の意識が耳から聞いていた。その瞬間、自分の内側でビリビリと電流が走ったような気がした。
なんだこの感覚は。これは霊言であるか。
「生活全部を……金に……?」
その瞬間大宇宙の真理が舞い降りてきた。
納得した。
俺が何故働きたくないのか。
働かずに金を作りたいんじゃなくて、自分の活動すべてで金が稼ぎたい。あらゆる時間でお金を生み出したい。自分の生活すべてが金を生み出すなにかであって欲しい。働きたくねえ。
そういう願望の表れである。
「生活全部を金にしてえ……」
この一言には、そんな全てが詰まっている。
深い。
深すぎるぞ、俺。
業が深い。
俺はベランダに出て夜空を見上げた。
「生活全部を金にしてえ、か……」
俺はそういうと、ふふっといたずらっぽく笑った。
なるほどね。
その瞬間、遠くできらり、と流星が光った。
だめだこりゃ
はのん