シルバーペーパー

秘密結社「シルバーペーパー」

自分にとっての文章を書くという行為を言語化してみた

文章を書くときにまず音のリズムについて考え始めることが多い。読み手に与えたい印象の軽さや句読点の間隔、一文の長さ、それから人称を決める。次に、文章をまとめるように適当なテーマを設定して、露骨な誤字脱字以外は先頭から後ろまで推敲しないで書き始める。

 

個々の文章についてだが、まず音のリズムを配置していく。基本的に文章を組み立てるときには意味や字面より先に、抑揚のない音の羅列(としか表現できない抽象的な形のあつまり)で組み立てている。自分の中にぼんやりと暗闇の中に光点の列のようなものが見えていて(聞こえていて)、そこを手がかりとしつつ「が」「は」「を」などの助詞を埋め込み、なおかつ核としたいフレーズが納まるように残りを構成している。その際、使いたくない言い回しを除外する*1などといったように、いくつか自分の中に文章を書く上でのルールを決めているので、意図がない場合はそれに従う。ただしそういった点では、一般的な文章読本に例として挙げられるような悪文を書くことは多いかも知れない。例えば、一文に幾つもの意味を無理やり押しこむ形の悪文は頻用する。*2

文章の勘所となるような部分では特に、聴覚上の違和感を持たせるため句読点の位置を調整するが、ここでは相当の気を遣っている。この段階では段落分けはあまり考えていない。

書き終わったら、通して3度ほど読み、視覚的に形のいびつな部分を削って整える。字面の悪い単語は適宜置き換える、長すぎる一文を改行する、といった細かい修正である。また、それと並行していわゆる校正作業も行う。文章全体の流れの中で一部分だけおかしい、というような意味上の矛盾の修正を第一にして、重複した言い回しが目立つ場合や、文末が意図せず連続した場合は文のイメージを壊さないように校正する。段落ごとに分けてみて、不要な文章は入れ替えたり削除したり試行錯誤する。

文体や内容にもよるが、ブログ程度だと原稿用紙4枚分をラフに書くのに30分、合間に調べ物をするなどすると120分くらい、修正は10分〜30分くらいかかる。このごろの心がけは軽くて読みやすいけどやたら一文が長くて若干つっかかる文章。他の人はどういう風に文を書いているのだろうという疑問ついでのメモ。

 

はのん

 

*1:例えば、安易に「〜が」の乱用をしないなど。

*2:これは主語が極端な入れ子構造にならなければ負担なく読めるであろうという判断である。