シルバーペーパー

秘密結社「シルバーペーパー」

2014年にもなって「らき☆すた」を観たワケよ

2014年にもなってはじめて「らき☆すた」を観た。3日くらい引きこもってちまちま観てた。

本放送はリアルタイムで観て、投げ出した。あれからもう7年も経ったのかという幾ばくかの衝撃を覚える。

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このアニメ、不遇なことに放映以降すっかりとにわか御用達のような扱いを受けていた。実際わたしもそう思っていたし、なにげなく観た1話のつまらない印象も相まってずっと見送っていた。だがしかし、実際に蓋を開けてみるとまるで思い描いていたものと違う。

面白いではないか。

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え、なにこれ、すごくいいんですけど。

本作の印象だが一言で言って非常に優秀。当時のいわゆる日常系アニメのたぐいを土台に引継ぎつつ、独特のテンポでサクサク進んでいく時間感覚がいまもなお新鮮に目に映る。音声をすっぱり切ってカットを転換していくような意図的に間を詰めた構成。特に2話以降から中盤にかけては本当に面白い。こなた、つかさ、かがみ、みゆき4人のキャラ立ても配置もいい。かわいらしい。

難点…終盤に行くにつれキャラクターの不必要な増加、少々内容の薄さが目立ってくる(この点については多くの原作レビューで触れられている点である)、しかし序盤は本当に畳みかけるような良さがある。

キャラデザは堀口悠紀子。彼女の線はこの頃がいちばんかわいいなー。いろいろ言いたいことがあるんだけど、堀口絵はけいおん!以前が素朴でかわいいと思う。あれはあれでいいんだけど。

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いやでも2007年でこの線でしょ? ハルヒの次が(Kanonを挟んで)、これでしょ? 池田晶子からこれって意味わかんないじゃないですか。なんだこの異質さ。なんて皺、なんて手の崩し方。ほんとバケモン。

小ネタのチョイス、表面的には若者を狙ってるかのように見えるけど、完全におっさん向けだと思う。深すぎず浅すぎずの独特のノリがいっそうオタクらしいし気持ち悪いくらいにオタクオタクしたアニメだし、冷静に考えてこれがなぜ大衆にこれだけ受け入れられるのか全くわかりません。気持ち悪いアニメだよ、これ。みんな何を受け入れていたんだ。みんなかわいさしか観てないんじゃないか。逆にそれだけ受け入れられる普遍的なかわいさがあるということなのか。どうでもいいけど「らき☆すた」の描くオタクとそれをとりまく社会像は7年前とは言え現在とさして変わらないなーという2014年並の感想を持った。ニュースで迫害されて憤るアニメファンの構図はタイムリーなだけにクスッと笑ってしまった。この不毛な争いは一体いつまで続くのだろう。

今となって思うのだけれど、放映当時自分がこのノリについて行けなかったのは全く持って不思議ではない。(本当にいろんな意味で)気持ち悪いし。気持ち悪さが楽しめないとかわいさ以外の点で全然面白くないと思う。それを受け入れた上で見るなら、あるあるネタとしては最高。ラストの締め方もよかった。日常系を名乗るならこれくらいがちょうどいい。いまさらだけど円盤が欲しくなった。2014年のいまこそ皆さんも「らき☆すた」、いかがでしょうか。