シルバーペーパー

秘密結社「シルバーペーパー」

貧民図書館の貧民特区で、『自分だけの1冊』を探す旅に出よう。

ブックオフのことをよく『貧民図書館』と呼んでいる。

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もちろん内々での話である。しかしこれはなかなか良く出来たネーミングだと思う。

貧民図書館のなかにも最下層と呼べるのが108円コーナーで、私はいつもそこにたむろしている。個人的にあそこのことは第9地区と呼んでいる。

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第9地区にはラノベにしろ漫画にしろ、名前も聞いたことの無いような代物がたくさん揃っている魔窟である。とにかく面白い。特にマンガは楽しい。楽しいのだが、なにせ知名度がない作品ばかりならぶわけだから、一般受けはしない漫画ばかりである。というところで、哀しいかな。世の中の大半の人はメジャー過ぎて値落ちしたものばかりに手を伸ばし、第9地区の本当の「遊び方」を知らないようである。

ゴミ山から自分だけの宝を探す感覚で行こう。

108円である。わかるだろうか。値段的には駄菓子みたいなものである。

平均的な画力やストーリーに期待してはいけない。

中庸など要らない。これは「賭け」なのだ。

ハズレ常套だ。どんなつまらないものの断片からきらりと光るなにかを見つけて、自分なりに消化して楽しもうという姿勢があれば、いくらでも楽しめる。

諸君、たかが108円だ。と私は声を大にして言いたい。

準備するもの

前提としてAmazon.co.jpや漫画レビューサイトなどを一通り巡り、興味のあるマイナーな本や好きなレーベルや作家名、テイストを記憶しておくことが好ましい。

まず用意するものであるが、以下のものがあれば大丈夫であろう。

  • インターネット接続可能なスマートフォン
  • 飽くなき探究心
  • ベクトルを間違えた好奇心

以上だ。スマートフォン最強。

遊び方

遊び方も何も単純である。棚の前で片っ端から目線を動かしていく。これだけだ。

ポイントは自分の潜在意識を信じることである。

背表紙・タイトル・作家名、なんでもいいからピンときたら手にとって開いてみる。まずはここが第一歩だ。

知らないマンガの量に臆しないことは重要だ。とにかく実地で手を動かし、「直感を信じる」こと。その一点に尽きる。

付け加えるとしたら、取り組む側の姿勢である。バイアスを混入させないことだ。たとえどんなに外れなような作品でも手にとってみる。そして考える。話がつまらない作品なら画集として消化できないか考えてみる。絵が汚ければ物語に光るものがないか考える。困ったら片っ端から開いてみるのもよい。ただしあからさまにカテゴリーエラーのものには手を出さなくてよい。

ちなみに108円コーナーで効率良く生き延びるために、スマホでググりまくるのは有効戦術だ。どんなにマイナーそうなマンガでも意外とレビューはつくものである。平均評価より星の低い順に見たほうが欠点がわかるのでよい。レビューをみて面白そうならダメもとで買ってみる。定価だったら買わないような作品でも108円なら買えるだろう。WikipediaTwitterなどから作家同士の以外な交流が分かったりするので買い物以外のところでも楽しめる。

余談

ブックオフを出るときには1冊2冊は買うこと。理由はなんとなく漠然とした満足感が得られるためである。300円くらいで自分の物欲を誤魔化そう。

アンソロ系は確実にハズれるのでよほど好きな作家がいるという場合以外は止めたほうがいい。これは本当におすすめしない。4コマは王道を選ぶ分にはやけどをしないが、それ以外は著しく選別が難しいので詳しくない限り手を出さないことをおすすめする。

狙い目はコミカライズである。ここは今をいく売れっ子作家たちや成年コミック中心作家の別名義作品、副業で手を出したきり一度も浮上しないアニメーターの作品などがあるのでなかなか見応えがある。話もそこまでハズレが少ない。