幸福の科学についての私見まとめ
- 本尊はエル・カンターレ(キリスト教における「キリストの父」、イスラム教のアッラーと同じ神格であると主張)
- 総本山・正心館にある「大法輪」や、奈良の大仏を偶像として指定
- キリスト文化圏的な一神教ではなく、天上には様々な神格が存在し、エル・カンターレが最高神という神道的な考え
- 大川隆法は人間として生誕し東大法学部卒業→大手総合商社入社→ニューヨーク勤務+ニューヨーク市立大学院で国際金融論を学ぶ
- 25歳の時に大悟(悟りを開き、霊界と同通)したとされる
- 同年に自分がエル・カンターレの預言者・分身であることを自覚
- 主な教えは「愛」と「悟り」と「ユートピア建設」の3つに集約される
- 四正道――「愛」:キリスト教的、「知」:高等教育を受けた者特有の表現、「反省」:仏教的、或いは極東文化圏の自己批判的、「発展」:ビジネス的な自己啓発的要素を多く含む
以上を総括すると、幸福の科学は、全世界に既に広く普及しているキリスト・イスラム教的な神話をベースにし説得力・親近感を保たせるのに成功し、或いは「人間」が「預言者(≒最高神の分身)」としての地位を正当化する根拠としている。
神道的な多神格の中の最高神による融和を説いており、これは日本人に広く根付いた価値観と一致するので、受け入れやすい。また、同僚との政治を重視するという点で、ビジネスマンとしての経験が生きていると思われる。ただ、預言者の主たる目的の1つであるユートピア建設が頓挫したので、どう弁解するかという点には、疑問が残る。
以上のことから、幸福の科学は、西洋文化圏の宗教認識と、東洋文化圏の仏教、そして日本人的な神道的感性、更に自身が人間だった時のビジネスマンとしての経験を総合的に「混ぜた」ような創り方をされており、合理性が垣間見える。日本において非常に革新的な新興宗教といえるだろう。