シルバーペーパー

秘密結社「シルバーペーパー」

将来のことを心配してくれるありがたい隣人たち

他人の将来のことを頼んでもいないのに心配してくれるおせっかい焼きな人間がいるとする。相手と自分との間に直接的な利害関係がない場合、いかなるアドバイスも信用しないのが賢明だろう。自分の下した判断が相手に将来的に被害を与えることが考えられる場合、それは考慮して理性的に対処するのが最善だが、そうでない場合、全くの第三者であるといったとき――特に不安感をあおるだけ煽って、具体的な解決策も提示せず消えていく輩――それはたいていは単なる噂の種にしたいだけなので有難迷惑、受け手としては害悪に他ならない。

人間というものは基本的には脆いので、自分が心配していないことを他人に何度も何度もしつこく詰問されると、本当に自分が厄介な事態に巻き込まれているのではないかと不安にさせられるので、精神的被害が大きい。厄介なことに、この手合いには本人側には悪意がない・純粋な親切心(と考えている)場合がほとんどなので非常に煩わしく、本当は「お前この先大丈夫なのか」というたぐいの問いに対しては、一律で「そんなことお前の知ったことか」の一言で自動応答したい、しかし、それだと世間には反社会的にみられるため、仕方なく悩むふりをするのだが、時間の無駄にしか感じない。

もし、友人か誰かが本当に困っていて、もしそのとき本当に他人のことを思いやるなら、純粋に共感しているそぶりを見せればいい。結局、私たちにできるのはそのくらいで、あとは助けを求められたら助けてあげるか、それとも恨まれるのを覚悟して他人に干渉するか、ぐらいしかない。恨まれてもいいと思えるような人間にだけ好きなように干渉すればいい。

まったく、世の中には将来のことを心配してくれるありがたい隣人がたくさんいるようである。彼らのおかげで毎日眠りの浅い日々が提供されている。ありがとう。その辺、インターネット、コンクリートブロック片のような日本語の塊で一発ぶん殴ればそれでおしまいとなるので、とても良い。