シルバーペーパー

秘密結社「シルバーペーパー」

考え事

森の生活をとりあえず上巻、読み切った。いろいろの生活の事象について、著者の考えをまとめたエッセイ集のような体裁をとっていて、そのなかでいうと、孤独に関する項目と、来客者に関する項目とが興味深く読めた。都市部での生活を営んでいると、それなりに人と接する機会も多く、実家を離れて独り立ちしても、何らかの組織に所属する以上はコミュニティにおいて一種の対話を求められるので、厳密な意味で我々が孤独を享受するのは贅沢になりつつある。

世の中の人間は孤独が嫌いなようであるが、私は(自分について)あまり孤独でいることに耐えられない種類ではないと思っていて、この著者は私と同じく孤独の礼賛者であるから親しみを持てる。孤独というのは別に排他的であるということではない。実際このソローという人は客人を拒まんだりはせず、ほどほどにもてなしてやる。むしろ時には積極的に酒を飲み、思想について談話するのである。下巻に手を付ける前に読みたい本があるので、いったんここまでで手を止めておこうと思う。

話は変わるが、ひたすら各自が変態的な長文を持ち寄ってコピー用紙に印刷したのを無理やりホッチキスで止めただけの、分厚い同人誌出したい。誰も見たことがないような文章がてんこもりの同人誌が見たい。ぜったい商業流通しなさそうなくだらない話とか、玉石混交な文章の束、それだけでも十分いい。そういうのを定期的に作っていって、1部ずつだけでもいいし、刷っていって、いつの日か蓄積した紙の束を見下ろして、たまに見返すとかそういうことがしたい。