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『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!('14 日本)』―錦織敦史

2/5に新宿バルト9で劇場版アイマス(以下、劇マス)を見ました。新編まどマギを見たときも思ったけどあそこちょっと音響が酷い気がします。例によってTwitterに感想を投稿しようと思ったんですがダラダラと長くなりそうなのでこの場を借りてまとめて書きたいと思います。

以下ネタバレ

 

 全体の評価

まず本作を観終わって最初に浮かんだ感想は、「不出来」「不満足」でした。Twitterで輝きの向こう側に行った連中が余りに多かったので、見る前からハードルを上げ過ぎたのかもしれません。見てる途中で何度も唸りそうになり、また集中力も途切れ途切れでした。凄まじい尿意も関係あったかもしれません。

物語の構成としては、順調なアイドル活動→新しい活躍の場→問題発生→問題解決→大団円&ライブシーンというそれ以外考えられないようなアイマスらしい作りだったので、そこに疑問を挟む余地はありません。しかしそれまでの過程や作品を形作る技術的要素が劇場版アニメ作品にしては期待以下の水準だったということで、以下3点に搾って突っ込もうと思います。

 

作画

一番の不満な点が作画でした。全体を通してキャラの作画が雑な部分が数え切れないほどあり、この手のキャラクターの可愛さで売る作品としては致命的な部分だったと思います。一番酷かったのは春香とジュピターのシーンかな?おそらくシーンごとにそれぞれ作監を割り当てる一般的な手法を取ったのだと思いますが、絵の違いが余りにも顕著なので作品全体の調和が取れていません。TVアニメ作品で話数ごとに絵柄が変わるのは珍しいことではなく、TVアニメ版アイマスもそのひとつでしたが、今回は劇場版です。キャラの顔には一貫性が欲しかったし、ここに注力して欲しかったです。冒頭の劇中劇場版予告の作画がとても良かっただけに、リソースの使い方がヘタだなぁと思ってしまいました。

あと、一部で「春香が落ちたお菓子を拾うシーンの作画がすごい」という声もありますが(どんな感じかは自分で見て確かめてください)、僕としては特に動かす必要もない場面で他と明らかに違うモーションでキャラを動かされても違和感の方が先に立ちました。

美希の作画だけ一度も崩れなかったのはちょっと面白かったです。

 

カナの練習バックレ

ここがどうにも一般的な許容範囲を超えていたので、物語の「問題解決」にあたるタームが無理のある展開になっていたと思います。プロとしての仕事であるライブの練習をバックれ、散々迷惑と心配をかけておきながらメールの文面だけで「もう来ません辞めますゴメンナサイ」。僕だったら家まで乗り込んで蹴っ飛ばします。部活レベルでも許されません。でもでも、ミニライブ直後に「私ひとりで頑張らなくちゃ…!」みたいなセリフもあったし、もしかしたら一人で秘密の猛特訓してるのかも~と思ってみれば、練習をサボった罪悪感とストレスでバカ食い激太りという有様。もうコイツ救いようがねェ~~~と見切りをつけるところですが、それでも大天使春香は周囲の声を退けつつ手を差し伸べてしまうわけで、しかも周囲もなんだかんだと許してしまうわけで、いよいよ空想と現実の乖離が閾値を超えてしまいます。リーダーとしての春香を見せること、「みんなで一緒に」のスタイルを追求させること、物語の山場を作ることが目的だったのでしょうが、ちょっとこれは他にやり様があったんじゃないかと考えざるを得ない部分でした。

 

ライブシーン

多少の粗が目立っても、終わり良ければすべて良し。ことアイマスであれば、ライブ良ければすべて良しとは万人共通のことと思います。きっと映画ではTV版ライブをフルの完全版で見れるとばかり思っていましたが、劇マスでは肝心のライブシーンまでもが残念ながら期待以下でした。キャラはCG感が丸出し(TV版でもCGは使っているがあくまで配置とモーションのみ)、客はサイリウムだけの存在、あれだけ練習していたはずのダンスも見せ場なしでバックダンサーは後方で手を振っているだけ、カメラワークが激し過ぎて何をしているのかもよく分からないという有様で、TV版のライブシーンよりずっと劣ると言っていい出来でした。最近の作品と比べるならば『のうりん』のゆかたんライブシーンの方が良かったと思います。おまけに楽曲は『M@ASTERPIECE』の一曲だけとなると、いよいよ物足りなさがマッハ。ふざけんじゃねーーーと思わずおしっこ漏らすところでした。

 

 

他にも細かい突っ込みどころはありましたが、主に言いたいのは上記の3つです。書いてる自分が不快だったので読まれた方はさらに不快だったと思います。ごめんなさい。一応フォローもしておくと、これだけボロクソ言っても1500円返せ!とまでは思わなかったので、アイマス好きを自認する人なら見ておくべきです。春香、伊織、千早、美希が好きな人も。僕の隣の席と前の席の人はガチ泣きしてたので、人によってはものすごい感動超大作なんだと思います。自分は周りの反応と相対して冷めてしまったところがあったかもしれません。尿意もあったし。

以上、輝きの向こう側に行けなかった此岸からの繰り言でした。 

 

呵呵大笑

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