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秘密結社「シルバーペーパー」

マイナーオタクソングを聞こう: 第02回「潜在的太陽の証明」他

SUPER∞STREAMをはじめ、数多くの名曲を生み出してきたヒットメーカー。第01回に引き続き、POPHOLIC所属の作曲・編曲家、山口朗彦にスポットライトを当ててお送りする今回の2曲は…。

 

というわけで今回は、

の2曲。

それではさっそく行きましょう。

 

 

潜在的太陽の証明

涼宮ハルヒ(平野綾)/長門有希(茅原実里)/朝比奈みくる(後藤邑子)

作曲:山口朗彦、編曲:安藤高弘

 

止マレ!のカップリング。前回がポップな感じだったので、今回はちょっと落ち着いた曲を選びました。あいかわらず安藤高弘、抜群に編曲が上手いんですよね。なんといっても幅が広い。

彼のこなした数多くの楽曲のなかでも、なんと言っても「ハレ晴れユカイ」が一番有名でしょう。

「bloooomin'」のようなロックっぽいアニソン作らせても上手いし、「LOVE×HEAVEN」でみせたような打ち込み寄りの楽曲を作らせても上手い、非常に器用な編曲家という印象があります。生音にシンセを上手く組み入れた編曲が多い。イントロの入り方は割と特徴的ですね。好きな編曲家の一人です。

それにしてもこの曲、Aメロの緩急の付け方がすごく上手い。ハイハット刻んでる隙間にシンセを忍ばせてちょっと加速したような錯覚を与える。落ち着いた構成のなかに光るものを感じる名曲。最高です。

ところで、山口さんの普段の編曲はSUPER∞STREAMに代表されるようなきらびやかで派手なシンセ使いという結構はっきりしたイメージが固定されているような気がします。

だからこの作品っていうのは結構面白いんですよね。彼が「潜在的太陽の証明」を自分で編曲したら絶対こうならないだろう、というアレンジ。やはり作曲家としてのメロディーセンスはしっかり現れていて、予想をいい意味で裏切らない土台の安定感を感じさせてくれます。編曲を自分でしないことによってメインの旋律自体の質の良さ、作曲者としてのセンスの良さを聞き手にいっそう分からせてくれる。彼の音楽を安藤高弘の編曲で聞くとこういう風になるのかという驚きと新鮮さが詰まった一曲。

そういえば平野綾茅原実里の声、意外と組み合わせがいい。

 

Princess Snow White

四条貴音(原由実) 作曲:山口朗彦、編曲:山口朗彦

 

ザ・山口楽曲。

この曲を聞くとさっきの編曲云々について言わんとしていたことがはっきり伝わると思います。うって変わってこの人らしさが全面に出てる華やかな編曲。

それにしても、本当にこの人のメロディーラインは裏切りませんね。普通ちょっとサビでハズしてみようとする(その結果視聴者に違和感を与えるような楽曲が出来上がる)作曲家が多いなか、「ここの音はここに落ち着くだろう」というところでしっかり抑えてるのが凄いと思います。Bメロでしっとりさせて、サビでぐいっと盛り上げる王道構成もさすが。

 

次回は安藤さんに触れたので今は無きロデオドライヴ繋がりで高田暁さん楽曲を取り上げます。

 

はのん